メダカの産卵と飼育密度

急に気温が高くなり30度近い日や超える日も出て来ました。5月終わりですがなんだかもう夏が近づいてきているような気もします。気温も上がりメダカもたくさん産卵するようになってきました。そこでメダカの産卵と飼育密度の関係について考えてみました。

私もそうですが、みなさん一番関心があるのは水槽や容器にどのくらいのペアのメダカを入れた時に一番効率よく卵が採れるか…という点にあると思います。相性がいいメダカ同士であれば1ペアでも問題ないとは言われているのですが、なかなか産卵してくれなかったり問題もあります。

24cmの円形の飼育容器に2.5リットルの水を入れて、メダカのペアを1~25組ずつ入れた時の産卵数を数えたという実験では、容器から採れる卵の数は10組の時に最大になったという結果があるそうです。しかし卵の質というものを考えてみるともう少しペア数は少ないほうがよさそうです。

次に10数匹のメダカを入れてオスメスの割合を変える実験では、オスが4、5匹の時に一番産卵効率が良かったという結果がでているようです。やはりオスの数が多すぎるとメスの取り合いになりケンカが起こってしまうのだとか…。

複数のペアを入れると産卵効率はよさそうですが、飼育密度が高すぎて産卵数が下がってしまう場合もあります。飼育密度が高すぎるのはメダカにもあまりよいことではありません。私たち人間でも同じだと思いますが、満員電車に乗るのと空いている電車にのるのではストレスが全然違います。
同じ水中に多くのメダカがいるのは水中の酸素も不足してしまいますし、酸素不足が産卵数が減ってしまう原因のひとつにもなっているようです。

また、高密度で飼育していた水の中ではメダカを減らして密度を減らしてみたとしても産卵数が減ってしまうということが明らかになっているのだとか。これは高密度で飼育することによりメダカからなんらかの物質が分泌されているのではないかということです。

他にも飼育密度を変えてみる実験では周辺でたくさん仲間のメダカがいたときに産卵数が減ってしまうのではなく、逆に産卵数が増えたくさんの卵を生むようになったという結果もあり、メダカの産卵についてはまだまだ謎が多そうです…。

メダカの性格や相性などは見た目ではわからないと思いますが、私の考えでは1ペアだけでも卵は採れるとは思いますが、効率よく卵を採るためには数ペア入れたほうが1ペアよりも効率よく卵をたくさん採れると思います。極端にオスメスの数が違いすぎる場合も産卵効率は良くないように思いますし、オスメスの数がちょうど良いように思えても産卵が思うようにいかない場合もあります。

同じペアを入れるにしても容器の大きさにも違いがあると思います。大きな容器に1ペアのメダカを入れるのと小さめの容器に入れるのとではまた産卵数や質というものも変わってくると思います。それに産卵と水質の関係というものもちょっと気になります…。

私自身まだまだメダカ飼育の経験は短く試行錯誤の毎日ですが、メダカの産卵については調べれば調べるほどおもしろいです。メダカのメスがオスをひきつけるフェロモンというのも面白いと思いますし、それが産卵というものにどのように関係しているか…なかなか個人では調べるのは難しそうです…。機会があればもっと深く調べたいですね!

参考文献 - 江上信雄 (1989) 『メダカに学ぶ生物学 - 生命現象のミクロとマクロ』 中公新書

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