メダカの性転換

メダカはオス、メスどちらかばかりだと性転換するという話を聞いて少し調べてみました。
性転換する魚といえばクマノミなどが有名みたいですが、メダカも性転換するという話です。

少し難しい話になるかもしれませんが、
まず、性とはどういう風に決まるかといえば人間であれば性染色体であるXとYがXXなら女性、XYなら男性というようになります。
ヒトをはじめとした脊椎動物は基本的には性染色体の組み合わせによって性別が異なります。
1990年にイギリスのシンクレアという学者がSPY遺伝子というものがヒトの性別の決定に関与していることを明らかにしました。
そうした中で2002年に日本の長濱嘉孝氏の研究グループがメダカの性決定遺伝子DMY遺伝子を発見したということです。
しかし、その遺伝子は魚類はおろか、メダカ属の中でも2種類だけにしか存在しないそうです。

さて、魚はどのような仕組みで性転換するかというと、性転換の仕組みは大きく2つあるそうです。
ひとつは発生の初期段階で起こるもの。メダカはコチラの部類に含まれるそうです。この時期の生殖腺は環境要因に非常に敏感なようで、例えば、ヒラメの稚魚などは18度程度の水温で飼育するとすべてメスになり、高温で飼育するとすべてオスになるのだとか…。
もうひとつは成熟した段階で起こるもの。性転換する魚の中には卵巣と精巣両方の生殖腺をもつものもいて、それぞれのホルモンどちらかが多く分泌されると片方が大きくなり結果的に性転換が起こるというものだそうです。
メダカなどは一方の生殖腺しか持っていないそうですが、成熟したメスにホルモンをコントロールする薬を使うと卵巣が精巣に変化し性転換を起こすということ…。

なるほど…この研究結果をみるとメダカがオスばかり、メスばかり産まれてしまうというのは前者の性転換の仕組みで、水温が低いのか高すぎるのかどちらかということになるんでしょうね。
つまり、メダカはまずは稚魚の段階で水温を管理してやればオスメス産み分けができるということ…?
個人でそれだけの温度管理を徹底するというのは難しそうですが…。

では成熟した性転換についてメダカはどうなんでしょう?
片方ばかりのメダカの群れが性転換したなんて話を聞きますがどういう仕組みになっているのでしょうか。

自然界ではどのような現象によりホルモンが分泌されるかというと、視覚的な刺激が必要だということ。例えば、メスからオスに性転換する魚は縄張りにオスがいなくなると一番大きなメスがオスになるらしいです。両方の生殖腺をもっている魚は何度も性転換する種類もいるのだとか。

そう考えるともし一方の生殖腺しかもたないメダカが成熟したあとでも性転換をするというのであれば、メスばかりしかいないという視覚的な刺激があるのが前提でオスに転換することがあるということですね。
メダカの性転換がメスからオスにならホルモンコントロールで変わるのであれば、メスばかりというのは特に心配の必要はないということになります。
オスばかりならちょっと由々しき事態かもしれませんが…。

実際に転換するのを自分の目で確認したわけではないのでなんとも言えませんが、自分の目で確かめてみたいメダカの生態のひとつですね。

=参考サイト=
魚と歩んだ生殖生物学 - サイエンティストライブラリー

性転換する魚のメカニズム - アットホームこだわりアカデミー

雌メダカの脳に性ホルモン受容体 - サイエンスポータルニュース

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